【建設業】次期社長は早めに育成すべき?
今回は家族経営の建設業者にとって、次期社長の育成は早めに着手しましょうという趣旨です。
さて、家族経営の場合、社長が父、部長が息子という場合あると思います。
この状態で社長が「そろそろ社長業は息子に引き継いで自分は引退しよう」と考えたとします。
この場合、すぐに社長が退職してしまうと、次期社長が困ることになりかねません。
まずは、息子を取締役にして、現社長は代表取締役として5年間は息子を育成すべきです。
すなわち、社長はすぐに引退してはいけません。
最低でも5年間は父と息子のダブル体制で会社を運営すべきです。
部長の経験でも経管にはなれるが・・・
「いや、別に部長でも5年以上の経験があれば経営業務責任者になれるでしょう」
そう思われた方も多いと思います。
それは事実そのとおりです。
しかし、部長での経験で経営業務責任者になるのはハードルが高いのです。
なぜなら、この場合の確認資料については行政側が明示していないのです。
事実、広島県の建設業許可手引きには下記のように記載されています。
【経営業務の管理責任者に準ずる地位にあっての執行役員等としての経営管理経験の確認資料】
確認資料については、申請窓口へお問い合わせください。
自分も何度も確認しましたが、間違いなくこのように記述されています。
そして補足説明も一切ありません。
そう、確認資料の詳細の全ては行政の窓口担当者に丸投げされているのです。
(窓口担当者が悲惨すぎる…)
なお、手引きは以下のリンクから参照できます。問題の記述はP73に記載されています。
557394.pdf (hiroshima.lg.jp)
役員(取締役等)の経験はすぐに認められる
部長での経験に比べ、遥かに役員の経験は認められやすいです。
以下の4種の確認資料が経験年数分あれば認められます。
①登記事項証明書
②許可通知書の写し
③所得税の確定申告書の写し
④契約書または注文書の写し
しかも、②~④はいずれかの書類が年数分あればいいことになってしまいます。
すなわち、①と②~④いずれかの合計2種類が用意できれば認められます。
これは、①は本当に役員なのかを、②~④は常勤性を証明するためのものなので、それぞれ目的が異なるからです。
結論:次期社長が役員経験5年以上になるまでは現社長は引退すべきではない
以上のことから、できるだけ現社長は次期社長の役員経験が5年を経過するまでは退職すべきではありません。
このため、そろそろ引退をと考えられている社長は、早期に次期社長を役員に就任させるべきです。
建設業許可は、取得して終わりではありません。
許可取得後も一瞬たりとも許可要件を欠いてはいけないのです。
もし早期に現社長が退職し、次期社長の経営業務経験が認められなかった場合、許可要件の欠如として許可取り消しの憂目に合う可能性も否定できないのです。
このため、現社長は少なくとも5年先の未来を見据えて後継者を育成するように心掛けましょう。
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