NPO法人の活動は無償でなければならないの?—その誤解と真実
「NPOの活動は無償でなければならない」という考えがしばしば耳にされます。
しかし、この考え方には誤解が含まれています。
今回は、NPO法人が実際にどのような形で活動を行うことができるのか、そして「非営利」とは何を意味するのかを詳しく解説します。
目次
NPO=無償? その誤解とは
まず初めに、「NPOの活動は無償でなければならない」という誤解について触れておきましょう。
NPO法人が有償で事業を行うと、「非営利であるNPOがどうしてお金を取るのか?」という疑問が生じることがあります。しかし、この考え方はNPO法人の本質を正確に捉えていません。
非営利の本当の意味
NPO法人が「非営利」であるという場合の「非営利」とは、利益を団体の構成員に分配しないことを意味します。つまり、NPO法人が得た利益は構成員に分配されず団体の活動資金として運用されます。
これに対して、株式会社のような営利企業の場合、原則として得た利益は株主に対して配当として分配されます。この点が「非営利」と「営利」の大きな違いです。
NPO法人でも有償活動が可能
「非営利」であるNPO法人であっても、有償でサービスを提供することは可能です。
むしろ、有償で事業を行い、得た収益を団体の活動資金に充てることで、より広範囲で公益的な活動を継続して行うことが可能になります。
例えば、NPO法人が従業員を雇用し、賃金を支払ったり、事務所の家賃を支払うために有償の事業を行うことは全く問題ありません。これらの活動は、NPO法人の非営利性を損なうものではなく、むしろその活動を支えるために必要な手段となります。
ボランティアとの関係
「ボランティア」とは、その定義が一律に定まっているわけではありませんが、一般的には自発性や社会貢献性を持ち、無対価で行われる活動を指します。しかし、NPO法人における「非営利」とは、前述のように利益を構成員間で分配しないことを意味するものであり、有償の活動を行うことそのものが禁止されているわけではありません。
例えば、NPO法人で活動する人がNPO法人と雇用契約を結んでいる場合、その人はNPO法人から給与を受け取ることができます。これもNPO法人の非営利性を損なうものではなく、むしろその活動を支えるために必要なものです。
NPO法人の広がり
無償の活動を原則とするボランティアから構成されるボランティア団体も、公益目的を有して非営利で活動する民間団体であることから、NPOの概念に含まれます。しかし、無償で活動するボランティアがいない団体であっても、公益目的を持ち、非営利で活動する団体であれば、NPO法人として認められます。
このように、NPO法人は単なるボランティア団体に留まらず、有償の活動を行いながら社会貢献を目指す広い概念を持つ団体であると言えるでしょう。
まとめ
今回は、NPO法人に関する「無償でなければならない」という誤解について解説しました。NPO法人は非営利団体であるため、得た利益を構成員に分配することはありませんが、有償でのサービス提供は可能です。むしろ、それによって活動の持続可能性が高まり、より多くの社会貢献が実現できます。
最後に
今回はNPO法人の「無償」の意味について解説しました。
今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
この記事が法人設立について学びたい方の参考になれば幸いです。
NPOホームページ | 内閣府 (npo-homepage.go.jp)
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