登記地目が畑でも現況が宅地の場合の土地売買手続きはどうなる?

市街化区域にある自宅の地目が畑になっているが、売却する際に農地法の手続きが必要か?
今回は、この問題について解説します。

結論:必要である。

現況が宅地であるにもかかわらず、登記地目が「畑」となっている場合、土地の売買には特別な手続きが必要です。その具体的な手続きと法的な根拠について詳しく解説します。

市街化区域における農地の取扱い

まず、市街化区域とは都市計画法に基づき、都市の一部として計画的に開発が行われる地域を指します。市街化区域内の農地については、一般的な農地よりも転用がしやすいとされていますが、それでも一定の手続きが必要です。

農地法と市街化区域

農地法(昭和27年法律第229号)は、農地の保全と適正な利用を目的として定められた法律です。登記地目が「田」や「畑」となっている土地を売買する際、所有権移転の登記等を行うためには農地法の手続きが求められます。これは、無断転用等を防止するために、農林水産省と法務省との間で通知による取決めがなされているためです。

農地転用手続き

市街化区域にある農地を宅地に転用する場合、以下の手続きが必要です。

  1. 農業委員会への届出
    市街化区域内であっても、農地を転用する際には農業委員会への届出が必要です。この届出は、農地転用のための基本的な手続きとなります。
  2. 登記所での手続き
    地目が「畑」のままでは、登記所にて所有権移転の登記ができません。そのため、農地転用届出受理済証明等を取得し、登記所で地目変更の手続きを行います。

手続きの具体例

具体的な手続きの流れについて、以下に解説します。

ケース1:過去に農地転用の届出がされている場合

  1. 農業委員会での証明書取得
    過去に農地転用の届出が確実にされている場合、農業委員会で農地転用届出受理済証明を取得します。
  2. 登記所での地目変更手続き
    取得した証明書を基に、登記所で地目変更の手続きを行います。

ケース2:農地転用届出の事実が不明な場合

  1. 登記所での申請
    登記所に申請を行い、登記官から農業委員会への照会を依頼します。
  2. 農業委員会での手続き
    照会結果に基づき、必要に応じて再度農地転用の届出を行います。

注意点とまとめ

市街化区域における農地の売買には、農地法に基づく適切な手続きが求められます。特に、登記地目が「畑」で現況が宅地である場合、農業委員会への届出や登記所での手続きが必要です。これにより、無断転用等の違法行為を防止し、適正な土地利用が確保されます。

最後に、市街化区域内の農地売買における重要なポイントをまとめます。

  1. 農地法の手続き
    農業委員会への届出が必要です。
  2. 登記所での手続き
    農地転用届出受理済証明等を取得し、地目変更を行います。
  3. 事実確認
    過去の農地転用届出の事実確認が重要です。

これらの手続きを適切に行うことで、市街化区域内の農地売買をスムーズに進めることができます。不明点があれば、専門家への相談をお勧めします。土地の売買は大きな取引ですので、法律に基づいた確実な手続きが必要です。

最後に

今回は登記地目が畑でも現況が宅地の場合の売買手続きについて解説しました。
手続きを自分だけで完結するのが困難であれば、専門の行政書士に相談してみましょう。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が農地法について学びたい方の参考になれば幸いです。

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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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