株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人の毎年提出する書類まとめ
会社を設立すると、経営だけでなく法的な手続きや報告も重要な業務となります。特に、毎年提出が求められる書類は会社の種類によって異なり、それぞれの要件を満たさなければなりません。今回は、株式会社、合同会社、NPO法人、一般社団法人の各法人が毎年提出する書類について詳しく解説します。これを知ることで、会社運営を円滑に進めるための一助となるでしょう。
目次
株式会社の毎年提出する書類
株式会社は、会社法の規定に基づき、事業年度ごとに事業報告書および決算公告を行う必要があります。事業報告書には「会社の状況に関する重要な事項」や「業務の適正性を確保するための体制の内容の概要」などが記載されます。以下は具体的な提出書類の一覧です。
- 事業報告書(会社法第435条)
- 会社の現況に関する事項
- 業務の適正性を確保するための体制の内容の概要
- 計算書類(会社法第435条)
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
これらの書類は株主総会で承認を受けた後、遅滞なく公告される必要があります。公告方法は定款に定められた方法によります。
合同会社の毎年提出する書類
合同会社は、株式会社と比べて提出する書類が少ないですが、計算書類の作成は必要です。
- 計算書類(会社法第638条)
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
また、合同会社は事業報告書の作成が不要であり、決算の承認や公告も必要ありません。
NPO法人の毎年提出する書類
NPO法人も、営利法人と同様に毎年決算を行い、所轄庁に報告書を提出しなければなりません。3年間事業報告を行わない場合、認証が取り消される可能性があります。
- 事業報告書(特定非営利活動促進法第29条)
- 活動計算書(特定非営利活動促進法第29条)
- 貸借対照表(特定非営利活動促進法第29条)
- 財産目録(特定非営利活動促進法第29条)
- 前事業年度の年間役員名簿
- 前事業年度末日における社員のうち10人以上の者の名簿
これらの書類は、事業年度が終了後3か月以内に作成し、社員総会で承認を得た後に所轄庁に提出します。
一般社団法人の毎年提出する書類
一般社団法人も事業年度ごとに事業報告書および計算書類を作成しなければなりません。監事設置一般社団法人では監事の監査を受け、理事会設置一般社団法人では理事会の承認を受けます。その後、社員総会で報告し、承認を得ます。
- 事業報告書(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第121条)
- 法人の状況に関する重要な事項
- 業務の適正を確保するための体制の内容の概要
- 計算書類(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第123条)
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 附属明細書
定時社員総会の終結後、遅滞なく承認を受けた貸借対照表を公告します。
設立後毎年提出する書類のまとめ
法人種別 | 事業報告書 | 計算書類 |
---|---|---|
株式会社 | - 会社の現況に関する事項 - 業務の適正性を確保するための体制の内容の概要 -付属明細書(事業報告関係) | - 貸借対照表 - 損益計算書 - 株主資本等変動計算書 - 計算書類関係 |
合同会社 | 不要 | - 貸借対照表 - 損益計算書 - 株主資本等変動計算書 - 計算書類関係 |
NPO法人 | - 事業の成果 -事業の実施に関する事項 | - 貸借対照表 - 活動計算書 - 財産目録 -計算書類関係 |
一般社団法人 | - 法人の状況に関する重要な事項 - 業務の適正性を確保するための体制の内容の概要 -付属明細書(事業報告関係) | - 貸借対照表 - 損益計算書 - 計算書類関係 |
まとめ
法人の種類によって毎年提出する書類は異なり、それぞれの要件を満たすための準備が必要です。株式会社や一般社団法人は、事業報告書と計算書類を提出し、NPO法人も同様に報告書を作成して所轄庁に提出します。一方、合同会社は事業報告書の作成が不要ですが、計算書類の作成は必要です。これらの書類の提出を怠ることは法的な問題を引き起こす可能性があるため、定期的な確認と準備を怠らないようにしましょう。
これらの情報を把握しておくことで、法人運営をスムーズに行い、法令遵守を徹底することができます。あなたの会社の健全な運営のために、ぜひ参考にしてください。
最後に
今回は法人の重要事項変更について解説しました。
今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)
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