一般社団法人の設立手続きの流れを徹底解説

あなたが夢見る社会貢献を現実のものにするためには、一般社団法人の設立が鍵となります。友人や仲間と共に社会的な使命を持った法人を立ち上げることで、より大きな影響力を持つことができます。今回は、一般社団法人の設立手続きの流れを解説します。

一般社団法人とは?

一般社団法人は、日本の法律に基づいて設立される非営利法人であり、特定の目的を達成するために複数の人々が集まり設立されます。以下に、一般社団法人の主要な特徴を挙げます。

非営利性

一般社団法人は利益の分配を目的とせず、剰余金が生じても社員に分配することはできません。これは法人が公共の利益や社会的な使命を果たすために設立されることを意味しています。

社員の存在

設立時には最低でも2名以上の設立者(社員)が必要です。社員とは、法人の意思決定に参加するメンバーのことを指します。

定款の作成

法人の基本的な運営ルールを定めた定款を作成し、公証人による認証を受けます。定款には法人の目的、名称、所在地、社員の資格などが記載されます。

設立手続きの簡便性

一般社団法人は、NPO法人と異なり所轄庁への届け出や認可が不要であり、比較的簡便に設立手続きを進めることができます。定款の認証と登記手続きを完了すれば設立が完了します。

法的保護

一般社団法人は法人格を有するため、法人名義での契約や資産の所有が可能です。また、社員個人の責任が限定され、法人自体が債務を負うため、法的保護が強化されます。

NPO法人との違い

設立手続きの違い

一般社団法人は、公証人による定款の認証と登記を行うことで設立が完了します。一方、NPO法人は所轄庁(内閣府または都道府県知事)の認可を得る必要があります。設立者の人数も異なり、一般社団法人は最低2名、NPO法人は最低10名が必要です。

目的と活動の違い

一般社団法人は非営利であれば広範な目的が認められますが、NPO法人は特定非営利活動促進法に基づく20種類の特定非営利活動に限定されます。これにより、NPO法人は公益性の高い活動を行うことが求められます。

監督と報告の違い

一般社団法人は所轄庁の監督を受けず、事業報告書や財務諸表の提出義務もありませんが、NPO法人は毎年所轄庁にこれらを提出する義務があります。

税制上の違い

一般社団法人は通常の法人と同様の課税を受けますが、非営利型一般社団法人として認定されると、公益的な収益事業以外は非課税となります。NPO法人は特定非営利活動に関する収益が非課税となりますが、その他の収益事業には法人税が課されます。

法的根拠

一般社団法人の設立および運営に関する規定は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(一般社団・財団法人法)に基づいています。この法律には、設立手続き、定款の内容、役員の選任といった基本的な事項が規定されています。

一般社団法人の設立手続きの流れ

設立者の決定

一般社団法人を設立するには、最低でも2人以上の設立者が必要です。設立者同士が集まり、どのような組織にするか、どのような活動を行うかを話し合い、決定します。

定款の作成と認証

次に、法人の基本的なルールを定めた定款を作成します。定款には、以下の事項を必ず記載しなければなりません。

  • 目的
  • 名称
  • 事務所の所在地
  • 設立時社員の氏名、名称、住所
  • 社員の資格の得喪に関する事項
  • 公告方法
  • 事業年度

定款を作成したら、公証役場に出向き、公証人による認証を受けます。認証を受けた定款は、その後の法人活動の基本となります。

理事等の選任と調査

定款が認証された後、理事を選任します。理事は、法人の運営を担う重要な役職です。設立時社員の議決権の過半数で選任され、理事が選ばれたら、設立の手続きが法令や定款に従っているかどうかを調査します。

設立登記の手続き

必要書類と印鑑の準備

設立登記の前に、必要な書類や印鑑を準備します。特に、印鑑は1辺1〜3cmの正方形に収まるサイズで作成する必要があります。

登記申請

登記の申請は、所轄の法務局に対して行います。通常、代表者自身が出向きますが、委任状を準備すれば、司法書士や弁護士に代理してもらうことも可能です。登記の申請が完了すると、数日から2週間程度で設立が完了します。なお、法人の成立日は、登記の申請日となります。

まとめ

一般社団法人の設立手続きは、いくつかの重要なステップを踏むことでスムーズに進めることができます。定款の作成、公証人による認証、理事の選任、そして設立登記の申請を順に行うことで、法人を正式に設立することが可能です。これらの手続きを理解し、正確に進めることで、一般社団法人としての活動を開始するための第一歩を踏み出すことができます。

最後に

今回は一般社団法人の設立手続きの流れについて解説しました。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が法人設立について学びたい方の参考になれば幸いです。
法務省:一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A (moj.go.jp)

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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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