相続手続をスムーズに!法定相続情報証明制度の申出書作成法

相続手続において、煩雑な書類作成や手続の負担に悩まされることは多いでしょう。特に、相続人が多数存在する場合や、不動産や預貯金の名義変更が必要な場合など、その手続は一層複雑になります。そんな時に役立つのが「法定相続情報証明制度」です。この制度を上手に活用することで、相続手続の効率化を図ることができます。今回は、この制度を利用するために作成する申出書類や手続の詳細について解説します。

法定相続情報証明制度とは?

法定相続情報証明制度とは、相続人が相続手続を円滑に進めるために、相続に関する情報を一元化して証明する制度です。この制度を利用することで、相続手続に必要な各種書類の提出を一度に済ませることができ、相続人の負担を軽減することができます。

申出書の作成方法

法定相続情報証明制度を利用するためには、「申出書」の提出が必要です。申出書には以下の項目を記入します。

申出人の表示

申出人の基本情報を記載します。具体的には、申出人の氏名、住所、連絡先などです。
また、申出人の代理人となれる者は以下の者に限られます。
1:申出人の法定代理人
2:申出人の親族
3:戸籍法第10条の2第3項に掲げる者
不動産登記規則 | e-Gov法令検索

代理人の表示

代理人が申出を行う場合、その代理人の氏名、住所、連絡先を記載します。代理人には法定代理人や委任による代理人がなれる場合があります。法定代理人には、未成年者の親権者や成年後見人、不在者財産管理人などが含まれます。委任による代理人の場合、親族や一部の専門家も代理人として申出を行うことができます。(戸籍法第10条の2第3項

利用目的

相続手続に関する具体的な利用目的を記載します。単なる家系図作成目的では認められません。例えば、不動産登記や預貯金の払戻し、株式の相続手続など、相続手続に直接関係する目的である必要があります。利用目的が明確であることで、申出内容が正当であることを証明する一助となります。

必要な写しの通数・交付方法

法定相続情報一覧図の写しの必要通数と、交付方法を記載します。交付方法は窓口受取または郵送から選択できます。窓口受取を希望する場合は、法務局の窓口で直接受け取ることができます。郵送を希望する場合は、郵送に必要な切手を貼った返信用封筒を同封し、法務局に提出します。必要通数は利用目的に照らして合理的な範囲内で指定することが求められます。

被相続人名義の不動産の有無

被相続人名義の不動産がある場合、その情報を詳細に記載します。不動産の所在地、登記簿情報などを具体的に記載することで、不動産の特定を行います。この情報は、不動産登記や名義変更手続において重要な役割を果たします。

申出先登記所の種別

申出を行う登記所の管轄を記載します。管轄の登記所を正確に指定することで、申出内容が適切に処理されることを確保します。申出先登記所の情報は、法務局のウェブサイトや窓口で確認することができます。

申出人の要件と代理人について

申出人になれる者

被相続人の戸籍に名前が記載されている相続人が申出人になることができます。具体的には、次の者が申出人となれます。

  • 被相続人の子
  • 被相続人の配偶者
  • その他、相続人の地位を相続により承継した者(数次相続の場合)

代理人になれる者

代理人として申出を行うことも可能ですが、代理人になれる者は以下の通り限定されています。

  • 法定代理人
    親権者、成年後見人、不在者財産管理人、相続財産管理人など
  • 親族
    六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族
  • 専門家
    弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、行政書士、海事代理士

利用目的の記入例

申出書に記入する利用目的は具体的である必要があります。以下に記入例を示します。

  • 不動産登記
    被相続人名義の不動産を相続人名義に変更するため
  • 預貯金の払戻し
    被相続人名義の銀行口座の預貯金を相続人に払い戻すため
  • その他相続手続
    被相続人が所有していた株式の名義変更手続を行うため

まとめ

法定相続情報証明制度は、相続手続をスムーズに進めるために非常に有用な制度です。この制度を利用することで、相続手続の負担を軽減し、時間を節約することができます。申出書の作成や必要書類の準備については、細心の注意を払い、正確に記入することが重要です。

根拠となる法令としては、不動産登記規則第247条、戸籍法第10条の2などが挙げられます。これらの法令に基づいて、正確な手続きを行いましょう。

法定相続情報証明制度を活用することで、相続手続がスムーズに進むことを期待しています。もし手続に不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

最後に

今回は法定相続情報証明制度の申出書の作成方法について解説しました。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が民法について学びたい方の参考になれば幸いです。

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