直近3年の各事業年度における工事施工金額の書き方【建設業】

直近3年の各事業年度における工事施工金額は、建設業許可申請において必要な閲覧書類の一つです。
この記事は「架空の建設業者を想定して、実際にロールプレイ形式で申請書類を作成する」という企画の第6回目です。

今回は前回作成した申請書類の続きから作成していきます。
なお、前提条件は第1回から変化ありません。
まずは、以下の第1回の前提条件を確認してからこの記事を読み進めることを推奨します。
①:【建設業】申請書書類作成演習:①許可申請書

また、これまでのアーカイブは以下のリンクから参照できます。
閲覧書類編:閲覧書類【建設業】 アーカイブ
確認書類編:確認書類【建設業】 アーカイブ

1 直近3年の各事業年度における工事施工金額の概要

直近3年の各事業年度における工事施工金額(以下、直近3年工事金額と呼称)の記載事項は以下の通りです。

  1. 税込み、税抜きの別
  2. 事業年度
  3. 注文者の区分
  4. 許可に関わる建設工事の施工金額
  5. その他の建設工事の施工金額
  6. 合計額

さて、実際のフォーマットは以下の通りです。

直近3年の各事業年度における工事施工金額

481869.xlsx (live.com)【広島県HP】

2 作成要領

2-1 税込み、税抜きの別

ここにはどちらかに該当するものに〇を付けます。
注意すべきこととして、どちらを選んでも良いのですが、後に登場する「財務諸表」に合わせてください。
今回の事例では「税抜き」を選択します。

2-2 事業年度

これは申請時の直前の3年間を1年間毎に記載します。そのため、申請した日の属する年度は含まれません。
今回の場合は申請日が令和5年なので、令和1事業開始日~4年事業終了日までの3年間分を記載します。
申請者が個人事業主の場合は1月1日~12月31日まで、法人の場合は定款に定められた期間を記載します。

2-3 注文者の区分、許可に関わる建設工事の施工金額

ここでは、許可を受けようとする工事業種および既に許可を得ている工事業種毎に区分して記載します。
まず元請と下請を分別します。そして元請は公共と民間の別を細分化して記載します。
あとは各区分毎の金額をセルに打ち込んでいきます。単位は千円ですので気を付けましょう。
なお、会社法上の大会社の場合は100万円単位で記載することが出来ます。
この集計はなかなか大変ですが、事前に各事業年度、各業種毎に工事契約書をまとめておくと集計が楽になります。
また、フォーマットに提示の通り、許可に関わる建設工事の施工金額の記入欄は4か所しかありません。
もし5種類以上の業種を記載する場合はページを跨ぐことになります。
なお、完成している工事の金額のみを記載するため、未成工事の金額は記載してはいけません。

2-4 その他の建設工事の施工金額

ここには許可を受けていない建設工事の施工金額について記載します。
つまり、現に無許可かつ今回の申請で許可を取る予定がない業種で、過去3年間に請負金額500万円以下の軽微な工事をしている場合の合計額を記載します。
また、許可に関わる建設工事が5種類以上ありページを跨ぐ場合は、最終ページにのみ当該金額を記入します。

2-5 合計額

最後に、各区分の横軸の金額を全て合計します。
1つだけ注意が必要な事項として、前年度の施工金額の総合計額は必ず財務諸表の損益計算書の完成工事高と一致します。
完成工事高=その年度の売上高なのだからこれは当然ですね。
もし一致しない場合は、どこかで計算ミスか集計漏れがあるはずです。

さて、以上のことを記載したものが以下の通りです。

直近3年の各事業年度における工事施工金額

これでようやく直近3年工事金額が完成しました。

この書式は許可の成否に直結する非常に重要なものです。窓口で誤りを指摘されてもその場で修正がしにくいものなので、しっかりと誤記がないか確認しつつ作成しましょう。

今回は以上で終わります。最後までご覧いただき、ありがとうございます。
次回は「使用人数」を作成する予定です。


この記事が建設業許可の取得を検討されている方の参考になれば幸いです。

また、この他にも有益な情報を逐次投稿しております。よろしければ他の記事もご覧ください。
投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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