【建設業】専任技術者が主任技術者を兼務できる場合
専任技術者とは営業所に所在する技術者です。現場の工事に従事する技術者ではありません。
軍隊で例えるならば、指揮官の状況判断を補佐する技術参謀のような立場です。
なので基本的には現場に出ることはできません。
しかし、いくつか条件をクリアすることで現場の主任技術者を兼務することもできます。
※この記事は前回の記事である「専任技術者と監理技術者と主任技術者の違いについて」の後続論点です。是非こちらの記事もご覧ください。
目次
兼務の条件
1 4,000万円以下(建築一式工事8,000万円以下)の工事現場である
この要件は、「監理技術者を設置しなければならない工事現場」ではないことであると換言できます。
すなわち、専任技術者が兼務できるのは主任技術者までです。監理技術者は兼務できません。
2 その専任技術者が常勤している営業所で締結された請負工事である
これは規模の大きな(営業所が複数ある)事業者を対象とした要件です。
基本的に一人親方の場合は営業所は一つのことが多いので、あまり気にする必要はないと思われます。
3 工事現場の職務に従事しながら、実質的に営業所の職務も従事できる程度に工事現場と営業所が近接している
これは物理的な距離のことを指しています。
現場に出ていても、すぐに営業所に戻ることができる程度の距離である必要があります。
ただし、具体的に何Km程度であれば良いという基準はありません。気になる場合は県の担当部署に問い合わせましょう。
4 営業所と常時連絡を取り合える状態である
現在は誰でも携帯電話を持っていますので、この要件は容易に達成できそうです。
しかし、工事現場が電波の届きにくい山奥等であるときは注意が必要になります。
以上の4つの条件を全てクリアすることで、専任技術者と主任技術者は兼務が可能です。
人手不足で主任技術者の確保に頭を悩ませている事業者の方は、兼務可能な現場がないか検討してみましょう。
また、この他にも建設業に関する情報を逐次投稿しておりますので、よろしければ他の記事もご覧ください。
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