たばこ小売業許可取得ガイド:初めての方でも安心!申請手順と注意点

たばこを販売するには特別な許可が必要です。しかし、「どんな手続きが必要?」「どのくらい時間がかかる?」と不安に思う方も多いでしょう。今回は、たばこ小売業許可を取得するための基本的な知識や注意点を詳しく解説します。


たばこ小売業許可とは?

たばこ小売業許可とは、「たばこ事業法」(昭和59年法律第68号)に基づき、日本国内でたばこを一般消費者に販売する際に必要な許可です。この許可は、たばこ販売を行うすべての事業者に義務付けられており、無許可での販売は法律違反となります。


許可制度の目的

たばこ小売業許可制度は、公衆衛生の保護と公正な市場競争を目的としています。具体的には以下の3つが挙げられます。

  1. 未成年者保護
    喫煙防止や健康被害軽減のため、適切に管理された流通が必要です。
  2. 市場の安定化
    距離基準や販売計画を通じ、事業者間の過剰競争を抑制します。
  3. 税収確保: たばこは主要な税収源であり、適切な販売管理が求められます​​。

無許可販売のリスク

許可を取得せずにたばこを販売した場合、以下の罰則が科される可能性があります。

  • 罰金や懲役刑
    最大で罰金50万円、2年以下の懲役が科される恐れがあります。
  • 営業停止命令
    違法販売は厳しく取り締まられるため、必ず許可を取得してから事業を開始しましょう​。

許可取得の要件

申請者に関する要件

  • 申請者本人が成人であること
    法人の場合、その代表者が該当します。
  • 法令遵守の実績
    たばこ事業法や税法に違反歴がないこと。
  • 健全な財務状況
    経営基盤が安定していることが重要です​。

営業所に関する基準

距離基準

予定営業所が、既存のたばこ販売店と一定の距離を保つ必要があります。
※単位:m

環境区分繁華街(A)繁華街(B)市街地住宅地(A)住宅地(B)
指定都市2550100200300
市制施行地50100150200300
町村制施行地150200300

取扱予定高

月間4万本以上の取扱予定高が必要です。この4万本の基準は、一定の半径距離にある世帯数より算出します。1世帯平均400本/月を基準として半径内に100世帯あるかどうかで判断します。ただし、山間地や身体障害者の場合、基準が緩和される特例があります​。


許可取得までの流れ

必要書類の準備

申請に必要な書類は以下のものが一例として挙げられます。
なお、細部は状況により異なりますので、必ず役所や専門の行政書士などに事前相談するようにしましょう。

  • たばこ小売販売業許可申請書
  • 住民票または法人登記簿謄本
  • 営業所の図面と写真
  • 賃貸契約書や建物使用権を証明する書類​
  • 破産者又は禁治産者に該当しない旨の証明書
  • 定款又は寄附行為

申請手続

  1. 申請書の提出
    日本たばこ産業株式会社(JT)の窓口に提出します。郵送または持参が可能です。
  2. 現地調査
    JTが営業所の現地調査を実施します。
  3. 審査結果の通知
    財務局が審査を行い、許可または不許可を決定します。審査には通常2ヶ月程度かかります​。

許可取得後の義務

営業の届出

許可取得後も、事業に関する変更や休止があった場合は、財務局に届け出る必要があります。

  • 届出が必要なケース
    事業の承継、休止、廃止、住所変更など​。

管理基準の遵守

  • 自動販売機の設置には、20歳未満の喫煙防止を目的とした管理が求められます。
  • 販売計画が基準に達しない場合、営業停止のリスクがあります​。

特例措置の活用

特定の条件下では、許可基準が緩和される場合があります。

  1. 身体障害者等
    距離基準や販売計画基準が8割に緩和されます。
  2. 山間地
    既存店舗がない遠隔地では、特例が適用される場合があります。
  3. 交通の拠点
    駅やバスターミナルの周辺では、特定の基準が免除されることがあります​​。

よくある質問

許可取得にはどれくらいの費用がかかりますか?

登録免許税15,000円が必要です。その他の手数料等は必要ありません。

許可が下りるまでどれくらい時間がかかりますか?

通常、申請から許可まで約2ヶ月かかります。ただし、書類不備や調査の延長によって遅れる場合があります​。


まとめ

たばこ小売業許可は、単なる許可証ではなく、事業者が社会的責任を果たし、公正な市場競争に参加するための重要な資格です。この記事で紹介した要件や手続きを理解し、準備を進めてください。特例措置を活用すれば、基準の緩和を受けられる場合もあります。

不明点があれば、専門の行政書士に相談することをおすすめします。正しい手続きで、安心して事業をスタートさせましょう!

最後に

今回はたばこ小売業許可の概要について解説しました。
全くの余談ですが、自分は若い頃はゴールデンバットというたばこを愛飲していましたが、今は廃盤となってしまって悲しい限りです。これがまた本当に美味しかったんですよ。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

また、この他にも有益な情報を逐次投稿しております。よろしければ他の記事もご覧ください。
投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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