広島県安芸高田市の農地法5条許可申請書の書き方ガイド

農地を利用して新たな事業を開始したいと考えている方にとって、農地法に関する手続きは避けて通れません。
しかし、農地法の手続きは各自治体により様式に差異があり、特徴が大きく異なります。
今回は、広島県安芸高田市の農地法第5条許可申請の手続きについて、その記載方法を具体的に解説します。
農地の権利移転や使用貸借について理解を深め、確実に許可を得るためのステップを確認していきましょう。

参考:農地転用(農地法第4条・第5条) | 安芸高田市

農地法第5条とは?

農地法第5条は、農地を農地以外の土地に変更し、かつ所有権移転する際になどに適用される規定です。いわゆる農地転用という手続きです。
この法律は、農地の保護と適切な利用を目的としており、農地を他の目的で使用する場合には、農地転用の許可が必要です。

(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限)

第5条 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第4項において同じ。)にするため、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。

農地法

許可申請書の必要性

農地を転用する際、まずは農業委員会に対して許可申請を行う必要があります。
申請が受理されない限り、農地の転用は法律違反となります。最悪の場合には罰金等が科されることもあります。したがって、しっかりとした書類準備が非常に重要です。

許可申請書の書き方

1. 申請書の様式と提出部数

農地法第5条に基づく許可申請書は、様式第2-2号(甲号)に従って作成します。申請書の提出部数は、正本1部と副本2部が必要です。

2. 申請者・譲受人・譲渡人の情報

まず、申請書の基本情報として「譲受人」「譲渡人」の住所、氏名(名称)、連絡先を記入します。
これは非常に重要な項目で、特に法人が関与する場合には代表者名や法人名も正確に記載する必要があります。例えば、譲受人が「●●建設株式会社」であれば、代表取締役(法人の代表者)の氏名とともに、住所や電話番号を記載します。

また、申請者や譲受人が複数存在する場合は、別紙を使用してそれぞれの情報を記載し、添付することが推奨されています。これにより、必要な情報が漏れることなく、スムーズな申請が可能となります。

なお、かつて必要だった押印は廃止されています。

3. 許可を受けようとする土地の情報

次に、許可を受けようとする土地の状況を詳細に記載します。以下の項目を含める必要があります。

  • 土地の所在、地番
  • 地目(登記簿上の地目と現況の地目)
  • 面積(㎡)
  • 市街化区域、市街化調整区域、またはその他の区域の区別

令和6年現在、安芸高田市には市街化区域と市街化調整区域が存在しません。
そのため、ここは「その他」と記載します。
また、土地に関する権利者の情報や賃借権の有無についても記載する必要があります。登記簿と現況の地目が異なる場合は、その理由を明記します。また、必要に応じて測量図を添付することが求められます。

4. 転用目的

許可申請書には、農地をどのように利用するのか、具体的な転用目的を明記します。
例えば、自己住宅の建設、資材置場、駐車場、事務所などの目的が考えられます。申請する土地の使用計画について、できる限り詳細に記載し、建設予定の建物の規模や工事計画も含めることが重要です。

また、工事の開始日や完了予定日を明確に記載します。
この際、「着工 許可後」「完成 許可後○箇月後」などの漠然な時期でも問題ありません。これにより、申請後の計画変更があった場合にも、適切な対応ができます。

5. 契約内容と権利の設定

申請に係る権利の内容についても明記が必要です。
所有権の移転や賃借権の設定など、申請に関連する契約の詳細を記載します。また、契約の時期や存続期間についても明確にし、売買価格や賃貸料についても記載しましょう。

たとえば、賃借権を設定する場合、契約が成立する予定の具体的な日付を記載し、存続期間や賃料についても書き込むことが重要です。

6. 事業の資金計画

転用に伴う費用や資金調達計画についても記載する必要があります。
土地の買収や造成、建築費用など、事業にかかる経費を詳細に書き込みます。自己資金のほか、借入資金がある場合はその内容も明記しましょう。

7. 被害防除施設の概要

転用によって周囲の農地や作物に被害が生じる場合、その防除施設の計画書も別紙として添付します。
例えば、資材置場を建設する際に、周囲の農地への影響を最小限に抑えるための対策を記載することが求められます。

8. 関連法令の許認可手続きの状況

転用計画に関わるその他の法律についても確認が必要です。
農業振興地域の整備に関する法律や都市計画法などの手続きが必要かどうかを記載し、これらの手続き状況を確認しておくことが重要です。

まとめ

今回は、広島県安芸高田市における農地法第5条に基づく許可申請書の書き方を詳しく解説しました。申請書の作成にあたっては、土地の詳細情報や転用目的、契約内容、資金計画など、多くの項目を正確に記載することが求められます。また、関連する法令や手続きの確認を怠らないようにしましょう。正確で詳細な申請書を作成することで、スムーズに許可を得られる可能性が高まります。

農地転用を成功させるために、しっかりと準備を進め、法律に基づいた手続きを進めましょう。農業委員会への相談や農地転用を専門とする行政書士のアドバイスを活用しながら、最適な方法で農地の有効活用を実現してください。


最後に

今回は今回は、広島県安芸高田市における「農地法第5条の許可申請」について解説しました。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が農地転用許可の取得を検討されている方の参考になれば幸いです。

また、この他にも有益な情報を逐次投稿しております。よろしければ他の記事もご覧ください。
投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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