袋地の不法占拠者にも囲繞地通行権が認められる?

袋地の所有者等には囲繞地通行権が認められます。
それでは、袋地の不法占拠者には認められるのでしょうか?
今回はこの問題について解説します。

事例

Aは住宅を購入した。
Aの隣地が袋地であり、Aは自らの土地に通路を設けて当該隣地に居住するBを通行させていた。
しかし、ある日、Bは他人に自宅を不法に占拠された。
当該不法占拠者が、囲繞地通行権に基づいて、Aの敷地の通路の拡幅などを請求した。
当該請求は認められるか?

回答:不法占拠者から通路の拡幅を請求することはできない

今回の論点は不法占拠者にも囲繞地通行権があるのかについてです。
一見、複雑な問題に見えるかもしれませんが、実際にはかなりシンプルな論点です。

答えはノーです。
囲繞地通行権は袋地の所有者に与えられる権利であり、正当な占有権を持たない不法占拠者がこの権利を主張することはできません。

囲繞地通行権は、袋地の利用権を保護しつつ、周囲の土地との権利関係を調整するためのものです。裁判所の先例でも、不法占拠があっても囲繞地通行権を認める必要はないという判断が示されています。不法占拠者に対しては、袋地の利用権を保護する必要はないとの考え方が主流です。

要するに、不法占拠者が囲繞地通行権を主張しても、法的に認められることはありません。Aは通路の拡幅などに応じる必要はないのです。

以上のように、法的観点から見ると、不法占拠者には囲繞地通行権が認められることはありません。したがって、不法占拠の事例では、通路の拡幅などに応じる必要性もないということになります。

最後に

今回は不法占拠者にも囲繞地通行権が認められるのか等について解説しました。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が道路について学びたい方の参考になれば幸いです。

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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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