土地の譲渡によって袋地ができた場合の通行権は?


袋地に居住する者は囲繞地通行権を行使することができます。
では、元々は1筆の土地だったものが売買によって袋地になった場合はどうなるのでしょうか?
今回は、土地の譲渡によってできた袋地の通行権について解説します。

事例

Aは、Bから広大な土地の一部分を買い受けた。
Aが買った土地は、売買に伴う分筆により袋地となってしまった。
公道に出るためには残りの隣接したBの土地よりも、Cの土地のほうが近くて便利である。
AはできればCの土地を通りたいと考えているが、可能か?

回答:残余地以外の土地を通行することはできない

一般的に、袋地の所有者は、公道に出るために他人の土地を通行できます。これを囲繞地通行権と呼びます。Aも袋地の所有者ですから、通行権を持ちます。しかし、Aの場合にはいくつかの制限があります。なぜなら、Aはもともと袋地であったものを譲り受けたわけではなく、広大な土地の一部を譲り受けた結果、袋地が発生したからです。

AとBが売買契約を交わした結果、袋地が生じただけで、この売買契約にはCは全く関わっていません。したがって、土地の一部が譲り渡された結果、袋地が生じた場合には、その袋地の所有者は、売主のもとに残った土地(残余地)を通行する権利しか持ちません。

つまり、AはどれほどCの土地が近くて便利だとしても、Bの残余地から公道に出られる以上は、Bの残余地を通る通行しか持つことができません。この通行権は無償であり、土地の売買当時に袋地が生じることが予測され、それが売価に反映されるためです。

なお、Bの土地の分筆が、Aが土地を譲り受ける以前に行われていたとしても、Cの土地を通ることはできません。

まとめ

今回の事例では、土地の売買に伴う分筆により袋地が発生し、公道へのアクセスに課題が生じました。
袋地の所有者であるAが、近く便利なCの土地を通行したいと考えましたが、法的には残余地以外の土地を通行することは許可されません。袋地が発生した場合、売主の残余地を通る権利しか持たないことが一般的です。これは、売買契約時に袋地が予測され、売価に反映されるためです。したがって、土地取引において袋地の問題については、契約書や法的アドバイスを十分考慮する必要があります。

最後に

今回は土地の譲渡によってできた袋地の通行権について解説しました。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が道路について学びたい方の参考になれば幸いです。

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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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