行政書士を取得したら別の資格を取得すべき?
行政書士資格を取得したばかりの新人が必ず考える事象があります。
それは「今なら他の資格も取得できるのでは?」という考えです。
自分もかつてはそう考えていた時期がありました。行政書士という難関資格を取得できたのだから、他の資格も少し努力すれば取得できそうな無敵感に包まれている状態です。
しかし、この時期に別の資格に挑戦することは、必ずしも良い結果を産むとは限りません。
今回は、行政書士取得後に速やかに別の資格に挑戦することの是非について解説します。
なお、この記事は完全に自分の独断と偏見により執筆されています。
違うだろと感じる人も多いかと思います。一つの参考程度に読んでいただければ幸いです。
※今回は完全なる娯楽記事です。
目次
結論:積極的に取得すべき資格とそうでない資格を吟味すべき
まず結論から述べると「取得すべき資格とそうでない資格がある」ということです。
この区別を明確に付けなければ、ただの資格マニアになってしまいます。
では、取得すべき資格とは何でしょうか?
取得すべき資格は「行政書士の資格を補強する機能がある資格」
たとえば、行政書士の専門業務として会計記帳をやりたいと考えている方であれば、簿記の知識は必須です。このため、最低でも日商簿記2級程度の知識は欲しいです。
また、外国人の就労サポートをしたいのならば語学系資格、風営業なら測量や製図系資格、相続等の民亊法務がやりたいならばFPの資格が役に立つでしょう。
このように、行政書士業務で明確にやりたいことがあって、その目的を補強する機能がある資格ならば迷わずに取得すべきです。
努力が同一のベクトルに指向しているため、相乗効果が得られることは間違いありません。
わざわざ資格という形式にこだわる理由
勘の良い方であれば「それなら資格を取得しなくても単に知識として勉強しておけばよいのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。それは当然その通りです。別にわざわざ資格という形で取得する必要はありません。普段から勉強を続ければ問題は無い筈です。
しかし、人間はいつでもできることは永遠にやりません。
いつか読もうと思って買った本。いつか見ようと思ってHDDに撮りためたテレビ番組。相当に溜まっていませんか?
この「いつかやる」から抜け出すための方法は1つです。
それは、今すぐ高い受験料を支払って受験を決めることです。
もうお金を払ってしまったのならば、やるしかありません。自らを勉強するしかない環境に身を置くのです。
また、明確に試験日が定められていればその期日までに練度を完成させなければならないため、心に自然と火が付きます。
上記以外の資格は受験する前に本当に必要かをよく考える
また、上記以外の資格であれば、本当に必要な資格なのかを冷静になってよく考えてみましょう。
例えば、行政書士である程度の法律知識を手に入れたため、司法予備試験や司法書士試験に挑もうとする方がよくいらっしゃいます。
このこと自体は別に問題はありません。向上心があることは大変に結構なことです。
しかし、本当にその資格は必要ですか?
ただ単に、同じ法律系資格だし、せっかくだから挑戦してみようと考えていませんか?
または、予備校の講師に「君ならきっとできる」と言われその気になっていませんか?
残念ながら、そのような動機でこれらの資格を目指そうとしているのならば、考え直した方が良いです。
何故なら、その資格取得に捧げる時間と労力を行政書士で成功するために集中したほうが遥かにコスパが良いからです。
一般的に司法書士ならば3000時間、予備試験ならば10000時間程度の勉強時間が必要といわれています。たしかに行政書士の知識である程度は素養が身に付いてはいるでしょう。しかし、それでも試験範囲自体が膨大であるため短縮できる時間は600~800時間程度が限界かと思われます。
そのような膨大な時間を費やすよりは、行政書士一本で稼げるように営業活動や実務の勉強に時間を費やした方がリターンが大きいでしょう。
一日の上限は24時間であることを自覚すべき
とはいえ、コスパを追及することだけが人生ではありません。
本当に心から強い信念を持って司法書士や弁護士を目指したいのならば、それはそれで素晴らしいことです。
ただし、1日は24時間で、自分の身体は1つです。
仮にダブルライセンスを持っていたとして、2つの業務を同時並行かつ同じ精度でこなすことは簡単ではないことは理解しておきましょう。
なぜ人はすぐに他の資格に挑戦したくなるのか?
次に、難関資格合格後に他の資格に挑戦したくなる心理について解説します。
まず、第一に念頭に置くべきことは、人間の欲には際限が無いという事です。
行政書士のような難関資格を取得した際の達成感や満足感は、筆舌に尽くしがたい幸福感をもたらします。
人生を賭けて挑んでいたり、数年がかりで合格した人ならば猶更です。
しかし、その幸福感は人間の精神を薬物中毒のような状況にしてしまいます。この幸福感を再び味わいたくなり、いてもたってもいられなくさせます。
そのため、次の強敵を探し出しては果敢に挑戦させる修羅の道を歩ませます。
資格ジャンキーの末路
※この節は完全に自分語りです。苦手な人は読み飛ばしてください。
かつて、自分も完全にこの状況に陥っていました。
当ホームページのプロフィールページにも記載されている通り、自分は現在10コの国家資格を保有しています。
しかし、実際に使っている資格は行政書士1つだけです。
その他の9の資格を業務で使用したことは人生で一度もありません。
どれ1つをとっても、使いようによってはそれだけで十分に稼げる資格にも関わらずにです。
これらの資格は、前職が土木系の仕事であったため、自己研鑽のために全て自費で取得したモノです。
しかし、自分は現場監督的な立場だったため、自分が直接的に職場でこれらの資格を使用することは決してありませんでした。あくまで、現場で働く職人達と同じ知識を保有していなければ指導者としての説得力に欠けるため、自己に鞭を打って取得したものです。
この時の自分は完全に資格ジャンキーでした。
次第に本来の目的を忘れ、もっと資格が欲しい一心でニッチな資格ばかり取得しようとしていました。
しかし、ある時ふと気付いたのです。
「これってポケモンを沢山捕まえているけど、一匹も鍛えてない状態じゃん…」と。
そう、最初は自尊心を高めるための資格取得だったのが、結果として手にしたのは虚栄心だけでした。
資格は数ではない
このように、資格は数ではありません。一つ一つの資格は使いようによっては強力な武器になります。
逆に、使わなければ宝の持ち腐れです。何の意味もありません。
そのため、次々と新しい資格に挑戦するよりも、今自分が保有している資格の価値をよく認識し、何に限りある時間と労力を注力すべきかを考えてみることを推奨します。
そうです。
あなたは既に光り輝く価値あるものを持っているのです。
周りのダブルライセンスを持つ者を必要以上に羨む必要はありません。
それは過去の自分の努力を否定することにも繋がってしまいます。
もっと自信を持ってください。
そして、過去の努力をしてきた自分を褒めてあげて下さい。
まとめ
資格取得後、他の資格に挑戦することは、必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。
取得すべき資格とそうでない資格を見極めることが重要です。行政書士の資格を補強する機能がある資格は積極的に取得すべきであり、資格ジャンキーとなってしまうことは避けるべきです。資格は数ではなく、使いようによって価値があります。自分が保有する資格の価値を認識し、今後の方向性を考えることが大切です。自信を持ち、過去の努力を認めることで、満ち足りた生活を手に入れることができます。
最後に
今回は行政書士を取得したら別の資格を取得すべきかについて解説しました。
なお、今回はあくまでも個人的な見解なので、強い信念をもってダブルライセンスを目指して勉強している方々をディスるつもりは一切ありませんので御了承ください。
むしろ、そうやって常に自分に鞭を打って困難に挑む人を、自分は心から尊敬しています。
今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
この記事が行政書士について学びたい方の参考になれば幸いです。
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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)
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