経営状況分析(Y)の各項目の解説

経営状況分析(Y)には全部で8項目の記載事項があります。
簿記の知識のある人にとっては当たり前の内容かもしれません。しかし、そうではない人も多いかと思います。
今回は、経営状況分析(Y)の記載項目の意味について初学者にも分かりやすい言葉で解説します。
簿記に詳しい人から見ると「大雑把過ぎ!」と感じる内容かもしれませんが、まずはイメージを掴むための記事と思っていただけると幸いです。

経営状況分析の審査項目

最初に経営状況分析の審査項目を簡単に見てみましょう。
経営状況分析には計4つの審査項目が存在し、それぞれが2つの分析指標で構成され、合計で8つの要素が評価されます。
経営状況分析は主に建設業者の経営状態を会計の観点から評価するものです。

  1. 負債抵抗力
    純支払利息比率 X1
    負債回転期間 X2
  2. 収益性・効率性
    総資本売上総利益率 X3
    売上高経常利益率 X4
  3. 財務健全性
    自己資本対固定資産比率 X5
    自己資本比率 X6
  4. 絶対的力量
    営業キャッシュフロー X7
    利益剰余金 X8

いきなり難しい漢字の羅列が出てきましたね。眩暈がしそうです。

また、実際の経営状況分析結果通知書は以下のようなビジュアルです。

経営状況分析結果通知書

【画像出典:(株)建設業経営情報分析センター
画像の中央にある「経営状況分析結果=(Y)」という部分がYの評点そのものです。
このように、経営状況分析結果通知書は膨大な情報量があります。初見では何が何だか到底理解できません。

以下、各項目の意味について解説します。

負債抵抗力

純支払利息比率 X1

会社がお金を借りていると、そのお金に対して利息を払わなければなりません。
一方、会社がお金を貸していると、そのお金に対して利息をもらえます。純支払利息比率とは、会社が払う利息からもらう利息を引いたものが、会社の売り上げに対してどのくらいの割合になっているかを表す数字です。
この数字が小さいほど、会社はお金の借りすぎをしていないということです。

負債回転期間

会社がお金を借りると、そのお金を返す期限が決まっています。負債回転期間とは、会社が借りたお金を全部返すのにかかる時間のことです。
この時間が短いほど、会社はお金を借りてもすぐに返せるということです。

収益性・効率性

総資本売上総利益率

会社が商品やサービスを売ると、その売り上げから原価や経費を引いたものが利益になります。売上総利益とは、原価だけを引いた利益のことです。総資本とは、会社が自分のお金と借りたお金を合わせたものです。総資本売上総利益率とは、売上総利益が総資本に対してどのくらいの割合になっているかを表す数字です。
この数字が大きいほど、会社は少ないお金で多くの利益を出せるということです。

利益剰余金

会社が利益を出すと、その一部は税金として納められます。残りの利益は、会社が自由に使えるお金になります。利益剰余金とは、会社が自由に使えるお金のことです。
利益剰余金が多いほど、会社は将来のためにお金を貯めたり、株主に配当したり、新しい事業に投資したりすることができます。

財務健全性

自己資本対固定資産比率

会社が長く使うものを買うと、その費用は固定資産として記録されます。例えば、工場や機械、土地や建物などです。自己資本とは、会社が自分のお金であることを表すものです。自己資本対固定資産比率とは、自己資本が固定資産に対してどのくらいの割合になっているかを表す数字です。
この数字が大きいほど、会社は自分のお金で長く使うものを買っているということです。

自己資本比率

会社が自分のお金と借りたお金を合わせたものを総資本といいます。自己資本比率とは、自己資本が総資本に対してどのくらいの割合になっているかを表す数字です。
この数字が大きいほど、会社は自分のお金で経営しているということです。

絶対的力量

営業キャッシュフロー

会社が営業活動をすると、現金が入ったり出たりします。営業キャッシュフローとは、会社が営業活動によって得た現金のことです。
営業キャッシュフローが正の値であれば、会社は営業活動でお金を稼いでいるということです。

売上高経常利益率

会社が売り上げから原価や経費を引いたものが利益になります。経常利益とは、営業利益に財務活動や特別損益などを加えたり引いたりした利益のことです。売上高経常利益率とは、経常利益が売り上げに対してどのくらいの割合になっているかを表す数字です。
この数字が大きいほど、会社は売り上げの中に多くの利益を含んでいるということです。

最後に

今回は経営状況分析の各項目の意味について解説しました。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が建設業許可について学びたい方の参考になれば幸いです。

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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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