農地復元計画書とは?農地転用と農地復元計画書について

農地転用をする際に、農地復元計画書という書類の提出が必要となる場合があります。
これは、通常の農地転用では必要ないのですが、ある特定の場合のみ必要となります。
今回は、農地復元計画書の概要について解説します。

農地復元計画書の目的

農地復元計画書は、農地を一時的に他の用途に使用する際に必要な書類です。
具体的には、以下のような状況で必要となります。

  • 建設工事に伴う現場事務所や資材置き場の設置
  • イベント開催期間中の臨時駐車場の設置
  • 砂利の採取などを目的とする場合

これらの用途で農地を使用する場合、当然ですが永久的には転用の必要がないことは明らかです。
このため、これらの目的の場合、通常の転用許可ではなく一時転用手続き(届出または許可)が必要となります。
そして、許可を受けるためには、農地に復元できることが確実であることを、申請書の中で役所に示すことが必要になります。
このため、農地復元計画書が必要となるのです。

なお、一時転用の最長期間は通常3年間です。それを越える場合には通常の農地転用と同じ扱いとなります。

例外的に10年間の一時転用が認められる場合

先述の通り一時転用は3年間までしか認められません。
ただし、※営農型太陽光発電設備の設置のための一時転用については、以下の条件を満たすことで転用期間を10年まで延長することができます。
※営農型太陽光発電設備とは
農地に支柱を立てて太陽光パネルを設置し、農業と太陽光発電を両立する事業のこと。土地を有効活用し、農業収入と売電収入の両方を得ることができるため近年注目を浴びています。

【画像出典:農林水産省HP

農業の担い手が、自ら所有する農地や賃借権等の収益を目的とする権利を有する農地等を利用する場合

いきなり難解な文章ですが、要するに「自分の農地か他人から借りている農地で太陽光発電施設を設置する場合」ということです。

ここでいう担い手とは、以下の者のことをいいます。

  • 効率的かつ安定的な農業経営をしている経営体
  • 認定農業者
  • 認定新規就農者
  • 将来法人化して認定農業者になることが見込まれる集落営農

【根拠文書:einogata-1.pdf (maff.go.jp)

これだけでは良く分からないとは思いますが、上記の全ての項目を解説するためには記事の尺がいくらあっても足りないため、いつか別の記事で各項目について解説したいと思います。

荒廃農地を再生利用する場合

これには以下の者も含まれます。
1 既に一時転用許可を受けている場合で、当該許可を受ける前に荒廃農地であった場合
2 同一の事業につき荒廃農地と荒廃農地以外の農地とを利用する場合で、これらのうち、荒廃農地の面積が過半を占めており、荒廃農地と荒廃農地以外の農地とが連坦し、これらが一団のまとまりを有する場合

特定の農地区分の農地を使用する場合

※第2種農地又は※第3種農地を利用する場合にも、例外的に転用期間を10年間とすることが認められています。
※第2種農地とは
第3種農地に近接している農地のこと。ほとんど第3種農地の亜種といってもいいでしょう。原則として第3種農地が使用できない場合に農地転用ができます。
※第3種農地とは
市街地の区域内又は市街地化の傾向が著しい区域内にある農地のこと。原則として農地転用は自由に認められます。

最後に

今回は農地復元計画書について解説しました。
この書類は使いどころが限定されています。そのため、解説しているホームページもほとんどありません。この記事が農地復元計画書って何だろうと思っていた方の力になれば幸いです。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が農地転用について学びたい方の参考になれば幸いです。

また、この他にも有益な情報を逐次投稿しております。よろしければ他の記事もご覧ください。
投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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