トランスボーダーファーミングとは?

農地の境界を超えるトランスボーダーファーミング

トランスボーダーファーミングとは、地権者の境界を越えて農作業をすることです。
農作業の効率化の手法としてドイツで実践されています。
大規模機械化農業で日本の先端を行く北海道で、2019年に実証実験が行われました。
今回は、このトランスボーダーファーミングの概要について解説します。
【参考資料:「トランスボーダーファーミング」は労働力不足の特効薬となるか トラクターの自動運転の先にあるもの(2) Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン) (ismedia.jp)000141622.pdf (alic.go.jp)

農作業の効率化を図ることができる

十勝地方(北海道)の鹿追町でトランスボーダーファーミングの導入が議論されています。
同町の一部の地域は効率化のため※圃場整備をし、20haにもなる広い畑を作りました。
しかし、一枚の畑に複数の地権者がいるため、※枕地で区切って別々に管理しており、期待したほどには能率が上りませんでした。
そこで、広い畑で大型農機を使って生産をすると、どの程度効率的になるかを把握するために、トランスボーダーファーミングの試みを始めました。
作業の面積が大きくなれば、※防除がドローン等であっという間にできるようになるかもしれません。
収穫も、巨大な農機を使えば効率化を図ることができます。

※圃場整備:公共投資によって農地の区画整理、農道の整備、農業用用排水路を一挙に整備すること。
Q.ほ場整備とはどのようなことをするのですか。 | 岡崎市ホームページ (okazaki.lg.jp)
※枕地:田植機が旋回するスペースのこと。
絶対おさえておきたい基本の田植機の選び方|マイナビ農業 (mynavi.jp)
※防除:農作物に悪影響を与える病害虫や雑草を防いだり除くこと。農薬の散布等が該当します。
「防除」とはどういう意味ですか。|農薬はどうして効くの?|教えて!農薬Q&A|JCPA農薬工業会

導入に対する心理的なハードル

ただ、農地によって土作りの度合いや土質が違うため、収量に差が出る可能性があります。
そこで、収益を公平に分配するために、基盤での補強が必要になります。
当然ですが、ここは最新機械の力を借りる必要があります。
幸い、ICTやIoTが農業にも使われるようになった今は、一昔前に比べ、基盤は整いつつあります。
しかし、実際の導入にはまだまだ農家側に強い抵抗があります。
労働力不足の解消という利点がある反面、農家の営農意欲の低下といった不利点もあるようです。
自分が作った農作物だという誇りを農家から奪いかねないという危惧もあります。

最後に

今回はトランスボーダーファーミングについて解説しました。
確かに、大規模農場を管理するには効率的かもしれません。
しかし、まずは民法等の他の法律を見直さなければ日本での本格導入は厳しいのではないかと思います。

今回は以上で終わります。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が農業について学びたいと考えられている方の参考になれば幸いです。

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投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)

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