専任性確認資料の概要【建設業】
専任性確認資料は、建設業許可において専任技術者の資格要件を証明するため必要な確認書類の一つです。
この資料は多岐に亘るため、収集に時間が掛かります。計画的に収集に着手しましょう。
また、これまでのアーカイブは以下のリンクから参照できます。
閲覧書類編:閲覧書類【建設業】 アーカイブ
確認書類編:確認書類【建設業】 アーカイブ
専任性確認資料が必要な場合
新規、業種追加、般特新規、更新、追加更新の場合に必要となります。
なお、いずれの場合も省略は出来ません。
要件の確認のための資料
一般許可の場合
学歴の証明書類
これは学歴条件と実務経験によって専任技術者となる場合に必要となります。
【根拠法令:建設業法7条2号イ】
必要な書類は以下の通りです。
1 卒業証明書の原本または卒業証書の写し(ただし、原本提示)
2 契約書または注文書の写し(提出できない場合は発注証明書)
なお、契約書、注文書、発注証明書は必要年数分が必要です。
この必要年数のカウントの仕方は自治体によってローカルルールがあるため注意が必要です。事前に役所と相談しましょう。
指定学科ついては以下のページを参照してください。
建設業の種類別指定学科一覧表
実務経験の証明書類
実務経験10年以上によって専任技術者となる場合に必要となります。
【根拠法令:建設業法7条2号ロ】
必要な書類は、契約書または注文書の写し(提出できない場合は発注証明書)です。
なお、契約書、注文書、発注証明書は必要年数分が必要です。
この必要年数のカウントの仕方は自治体によってローカルルールがあるため注意が必要です。事前に役所と相談しましょう。
一定の国家資格の証明書類
2~1級施工監理技術者等の資格をもって専任技術者となる場合に必要となります。
【根拠法令:建設業法7条2号ハ】
必要となる書類は免状の写しです。ただし、原本提示が必要です。
資格一覧については以下のコード一覧表のうち〇か◎が付いている資格です。
専任技術者になることができる資格・免許等コード番号一覧表(令和5年7月以降)
特定許可の場合
一級国家資格の証明書類
1級施工監理技術者等の資格をもって専任技術者となる場合に必要となります。
【根拠法令:建設業法15条2号イ】
必要となる書類は免状の写しです。ただし、原本提示が必要です。
資格一覧については以下のコード一覧表のうち◎が付いている資格です。
専任技術者になることができる資格・免許等コード番号一覧表(令和5年7月以降)
各種複合型の証明書類
特定許可の場合、一級国家資格があれば容易に資格証明ができますが、実際はなかなかそうはいきません。いずれも超難関資格ですからね。
そのため、一般許可の「学歴+実務経験」、「実務経験10年以上」、「二級国家資格」の3要件のいずれかに加えて、以下の条件を加えることによって専任技術者として認められます。
1 「発注者から直接請負った工事」かつ
2 「元請工事」であり
3 「指導監督的実務経験が2年以上」あること
この上記3条件は連接しているため、どれか一つでもクリアできなければ特定許可の専任技術者とは認められません。
さて、必要となる証明書類ですが、一般許可の「学歴+実務経験」、「実務経験10年以上」、「二級国家資格」の3要件のいずれかの確認資料に加えて、以下の全ての書類が必要となります。
1 指導監督的実務経験証明書(最低でも24か月分)
2 実務経験の内容欄に記載した工事全ての契約書の写し及び当該契約の施工体制が確認できる書類
なかなか厳しい条件ですね。
大臣特別認定者の証明書類
認定書の写しが必要となります。
専任性の証明書類
法人の場合
以下の書類のうちいずれか1つが必要となります。
1 健康保険被保険者証の第1面の写し
2 健康保険または厚生年金保険の資格取得届の写し
3 社会保険標準報酬決定通知書の写し
後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上)の場合
決算到来後又は雇用保険に加入している場合
以下の書類が必要となります。
① 申立書(不加入等であるが常勤している旨を記載)
② 後期高齢者医療被保険者証の写し
③ 次のア~エのいずれか(いずれも写しで、オはア~エが提出できない場合に限られます)
ア 雇用保険被保険者証又は雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)若しくは雇用保険被保険者資格取得届
イ 法人の役員の場合は、直前の法人税の確定申告書及び役員報酬内訳書
ウ 個人の事業主以外の場合は、直前の事業主の所得税確定申告書及び事業専従者欄に記載があるもの
エ 厚生年金保険 70 歳以上被用者該当および標準報酬月額相当額のお知らせ(相当額のお知らせ)
オ ア~エが提出できない場合は、住民税特別徴収税額通知書、源泉徴収票等、専任性が確認できる所得・報酬の記載されたもの
新規採用、決算未到来であり、かつ雇用保険の適用が除外されている場合等
以下の書類が必要となります。
① 申立書(社会保険に不加入等であるが常勤している旨を記載)
② 後期高齢者医療被保険者証の写し
③ 次のア又はイ(いずれも写しで、イはアが提出できない場合に限られます)
ア 厚生年金保険 70歳以上被用者該当届(該当届)(追って該当届に対する相当額のお知らせを添付)
イ 給与台帳(出勤日数・控除額等から常勤性が確認できない場合、個別に追加資料を求められます)
個人事業主の場合
以下の書類が必要となります。
① 申立書(常時当該申請者の業務に従事しており、他の商号若しくは名称を用いた営業又は他者への勤務をしていない旨を記載)
② 国民健康保険被保険者証の写し又は後期高齢者医療被保険者証の写し
③ 後期高齢者医療制度被保険者の場合は、直前の所得税の確定申告書の写し
現住所の証明資料
かつては必要でしたが、法改正により現在は不要になりました。
ただ、現住所があまりにも営業所から離隔していて通勤困難だと判断された場合は、別途証明資料を求められます。
一般的には営業所から20Km以内が通勤可能と判断されるラインとされています。
例:定期券、ETC利用明細等
最後に
専任性確認資料は上記の通り多岐に亘ります。収集に時間が掛かるため、計画的に準備しましょう。
また、専任性確認資料は申請者自らが収集する必要があり、原則として行政書士が収集するものではありません。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
次回は、専任性確認資料を解説する予定です。
この記事が建設業許可の取得を検討されている方の参考になれば幸いです。
また、この他にも有益な情報を逐次投稿しております。よろしければ他の記事もご覧ください。
投稿記事 - 熊谷行政書士法務事務所 広島県広島市 (lo-kuma.com)
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